「世界最強の男」と謳われたエドワード・ニューゲートが率いた白ひげ海賊団。
マリンフォード頂上戦争での彼の壮絶な最期は、世界に大きな衝撃を与えました。
かつて四皇の一角として君臨した大海賊団のその後はどうなったのでしょうか。
多くのファンが抱くこの疑問、つまり、あれほど強いとされた白ひげ海賊団が解散し、ただ弱い存在になってしまったのか、それとも今なおその絆は生き続けているのか、という点について、この記事では深く掘り下げていきます。
中心人物であったマルコや、故郷のために戦ったイゾウ、そして白ひげを刺してしまったスクアードなど、主要メンバーがたどった運命を、解説します。
彼らの物語を通して、白ひげ海賊団が残した伝説の真実に迫ります。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- 白ひげ海賊団が解体された経緯と組織の現状
- マルコやイゾウなど主要メンバーのその後の動向
- 最強と謳われた海賊団の本当の強さと弱さ
- 残されたメンバーに受け継がれる白ひげの伝説
白ひげ海賊団その後の組織とメンバーの現状
- 落とし前戦争
- 現在の船長と主要な生き残り
- 隊長一覧と主要メンバーの現在
- 不死鳥マルコ
- 赤鞘九人男イゾウ
- 慕い墓を守るスクアード
落とし前戦争

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白ひげ海賊団の組織が事実上、完全に崩壊する決定打となったのが「落とし前戦争」です。
この戦いは、マリンフォード頂上戦争から約1年後、白ひげ亡き後のナワバリを巡って、マルコ率いる白ひげ海賊団の残党と、勢力を拡大した黒ひげ海賊団との間で勃発しました。
なぜなら、白ひげという絶対的な抑止力を失ったことで、彼のナワバリは新たな支配者を求める無法地帯と化していたからです。
中でも、白ひげの能力を奪い、インペルダウンの凶悪犯を仲間に加えた黒ひげことマーシャル・D・ティーチは、最も野心的にその空白を狙っていました。
これに対し、マルコたちは親父の誇りを守るため、報復戦に挑むことになります。
しかし、戦いの結果は白ひげ海賊団残党の「完敗」でした。
ティーチが持つ二つの悪魔の実の能力はあまりにも強力であり、新たに加わったシリュウや元レベル6の囚人たちの戦力も、マルコたちの奮闘を上回ったのです。
この敗北により、白ひげ海賊団はナワバリをすべて失い、海賊団としての組織力は完全に失われました。
したがって、この「落とし前戦争」が、一つの時代の終わりを告げる象徴的な出来事だったと考えられます。
現在の船長と主要な生き残り

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結論から言うと、現在の白ひげ海賊団には、かつての白ひげのような明確な「船長」は存在していません。
海賊団としての組織は、前述の通り「落とし前戦争」での敗北を機に、事実上解体された状態です。
その理由は、白ひげという絶対的なカリスマと求心力を失ったことが最も大きいでしょう。
白ひげ海賊団は、白ひげが部下を「息子」と呼ぶ強固な家族の絆で成り立っていましたが、その「親父」を失ったことで、組織としての統制を保つことが困難になりました。
例えば、1番隊隊長であったマルコは、白ひげ亡き後も残党を率いて戦うなど、事実上のリーダーとして行動しました。
しかし、彼自身が新たな船長を名乗り、海賊団を再興しようとする動きは見せていません。
彼は「精神的支柱」ではありますが、組織を率いる船長とは異なる立場を選んだようです。
他の隊長たちも散り散りになり、それぞれの道を歩んでいるため、特定の人物の下に再集結する形にはなっていません。
要するに、白ひげ海賊団は「船」という形を失い、メンバーの心の中にのみ存在する「家族」となったのです。
隊長一覧と主要メンバーの現在

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白ひげ海賊団の強さを支えていたのは、16人の隊長たちです。
彼らはそれぞれが一個師団を率いる実力者であり、個性豊かな能力で白ひげを支えました。
ここで、判明している隊長たちと、その後の動向が分かっている主要メンバーの現状を整理します。
このように、エース、サッチ、イゾウの3人は故人となっています。
マルコやスクアードのように、白ひげの遺志を継いで行動しているメンバーもいますが、ジョズやビスタといった実力者を含め、多くの隊長の「落とし前戦争」後の具体的な動向は描かれていません。
彼らもまた、それぞれの場所で白ひげの「息子」としての誇りを胸に生きていると推測されます。
この散り散りになった現状が、白ひげ海賊団の「その後」を物語っています。
不死鳥マルコ

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白ひげ海賊団の「その後」を語る上で、1番隊隊長であった「不死鳥マルコ」の存在は欠かせません。
彼は、白ひげの意志を最も色濃く継ぎ、行動で示し続けている人物です。
マルコは白ひげ海賊団の事実上の副船長であり、白ひげから最も厚い信頼を寄せられていました。
彼が持つ動物系幻獣種「トリトリの実 モデル“不死鳥”」の能力は、いかなる攻撃も再生する青い炎を生み出し、海軍大将とも渡り合えるほどの戦闘力を誇ります。
「落とし前戦争」で敗北した後、マルコは白ひげの故郷である「スフィンクス」に身を寄せ、医者として村人たちを守っていました。
これは、白ひげが生涯守ろうとしたものを、海賊という形ではなく、人助けという形で引き継いだことを示しています。
さらに、ワノ国編ではルフィたちの援軍として駆けつけ、カイドウの最高幹部であるキングとクイーンを一人で足止めするなど、圧倒的な実力を見せつけました。
彼の行動は、組織の再興を目指すのではなく、白ひげが愛した「家族」や、新たな時代の若者たちを守り、助けるという、より大きな意志の継承であると考えられます。
赤鞘九人男イゾウ

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16番隊隊長イゾウの生き様は、白ひげ海賊団の「家族」としての絆と、個人のルーツへの忠誠心を見事に体現しています。
彼はワノ国出身であり、光月おでんの家臣「赤鞘九人男」の一員という、極めて特殊な経歴の持ち主です。
元々はおでん様と共に白ひげの船に乗り込み、そのまま白ひげの人柄に惚れ込んで隊長にまでなりました。
ワノ国の伝統的な着物をまといながら二丁拳銃を操る姿は、彼の二つのアイデンティティを象徴しています。
マリンフォード頂上戦争でも、海賊団の一員としてエース救出のために奮戦しました。
彼の物語が再び大きく動いたのはワノ国編です。
マルコからの連絡を受け、故郷がカイドウとオロチに支配されている窮状を知ると、彼は迷わずワノ国へ帰還します。
そして「赤鞘九人男」として、かつての仲間たちと共にカイドウに立ち向かいました。
激戦の末、CP-0の追手から仲間を守るために相討ちとなり命を落としますが、その最期は白ひげ海賊団の隊長としての誇りと、光月家への忠義を両方貫いた、見事なものでした。
墓を守るスクアード

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傘下海賊団の船長であった「大渦蜘蛛」スクアードの物語は、白ひげの器の大きさと、「家族」という絆の深さを示す象徴的なエピソードです。
彼はマリンフォード頂上戦争において、白ひげ海賊団の運命を左右する重大な過ちを犯しました。
その理由は、海軍大将赤犬の巧妙な策略にあります。
赤犬は「白ひげは傘下の海賊を見捨て、エースと本隊だけを助けるつもりだ」という偽情報をスクアードに吹き込みました。
過去に仲間をロジャーに殺された経験を持つ彼は、同じく「海賊王」の息子であるエースが特別扱いされているのではないかという疑心暗鬼に駆られ、信じていたはずの白ひげの胸を刃で刺してしまいます。
しかし、白ひげは裏切ったスクアードを責めることなく、抱きしめて許し、「バカな息子をそれでも愛そう」と言葉をかけました。
この絶対的な愛情に触れたスクアードは、自らの過ちを涙ながらに悔い、完全に改心します。
戦争終結後、彼の姿は白ひげの墓がある島「スフィンクス」にありました。
彼はそこで、自らを許してくれた「親父」の墓を静かに守り続けているのです。
この行動こそ、組織がなくなっても消えない、彼らの絆の証と言えます。
白ひげ海賊団その後の強さと評価
- 「強い」と言われた理由と「弱い」一面
- 隊長の強さランキングと懸賞金を考察
- 白ひげ海賊団が築いた「家族」の絆
- 「その後」の新世界に与えた影響
- 白ひげ海賊団その後
「強い」と言われた理由と「弱い」一面

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白ひげ海賊団が「世界最強」とまで言われたのは、疑いようのない事実です。
しかし、その強さには光と影があり、同時に構造的な弱さも内包していました。
まず「強い」と言われた理由は複数あります。
第一に、船長である白ひげ自身の「グラグラの実」の圧倒的な戦闘力です。
世界を滅ぼす力とまで評された能力は、まさに絶対的な力の象徴でした。
第二に、マルコやジョズ、ビスタといった、それぞれが海軍大将クラスとも渡り合える強力な隊長たちの存在が挙げられます。
そして第三に、43もの傘下海賊団を従える広大な組織力と、後述する「家族」の絆が、彼らを最強たらしめていました。
一方で、彼らには「弱い」一面もありました。
最大の弱点は、白ひげという個人への過度な依存です。
彼のカリスマ性と力で成り立っていたため、彼が病に倒れ、そして命を落としたことで、組織は急速に求心力を失い崩壊へと向かいました。
また、「家族」の絆が強いがゆえに、エース一人のために全戦力を危険に晒すなど、情が判断を左右する危うさも持っていました。
これらの理由から、彼らの強さと弱さは表裏一体の関係にあったと考えられます。
隊長の強さランキングと懸賞金を考察

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白ひげ海賊団の隊長たちの強さは、作中でもトップクラスですが、その実力を示す懸賞金は、ポートガス・D・エースの「5億5000万ベリー」以外、明確には判明していません。
しかし、彼らの活躍から、その金額や強さの序列をある程度考察することが可能です。
隊長の強さランキング(考察)
- マルコ: 不死鳥の能力による再生能力と耐久力、海軍大将や四皇最高幹部と渡り合う実績から、疑いなく最強と考えられます。
- ジョズ: 世界一の剣士ミホークの斬撃を防ぐほどのダイヤモンドの防御力とパワーは、マルコに次ぐ実力を持つと評価できます。
- ポートガス・D・エース: メラメラの実の強力な攻撃力と、海賊王の息子という血筋、覇気の素質などから、極めて高いポテンシャルを持っていました。
- ビスタ: ミホークと互角に剣を交えるほどの世界屈指の剣技は、純粋な戦闘技術においてトップクラスです。
隊長の懸賞金(考察)
もちろん、これらはあくまで作中の描写に基づく推測に過ぎません。
しかし、彼らが新世界を代表する強力な海賊であったことは間違いなく、その評価は懸賞金という形でも非常に高く設定されていたと見てよいでしょう。
白ひげ海賊団が築いた「家族」の絆

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白ひげ海賊団を他の海賊団と一線を画す存在にしていたもの、それは血の繋がりを一切必要としない、本物の「家族」としての絆です。
白ひげは、世間から見捨てられた者や、居場所のない者たちを「息子」として迎え入れ、無償の愛を注ぎました。
この海賊団には、たった一つの絶対的なルールがありました。
それは「仲間殺しはご法度」というものです。
4番隊隊長のサッチが、部下であったティーチに殺害された際、エースが白ひげの制止を振り切ってまで復讐に向かったのは、この掟を破った裏切りが許せなかったからです。
また、前述の通り、スクアードが自分を刺した時でさえ、白ひげは彼を「バカな息子」と呼びながら抱きしめ、許しました。
この行動は、利益や支配で繋がっているのではなく、ただ互いを思いやる純粋な愛情で結ばれていたことを示しています。
組織が解体された後も、マルコやスクアードが白ひげの遺志を継いでいるのは、この「家族」の絆が彼らの心に深く刻み込まれているからに他なりません。
この絆こそが、白ひげ海賊団の本当の宝だったのです。
「その後」の新世界に与えた影響

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白ひげの死と白ひげ海賊団の解体は、世界のパワーバランスを根底から覆し、「大海賊時代」を新たなステージへと進める大きなきっかけとなりました。
彼らが新世界に与えた影響は計り知れません。
最も大きな影響は、力の空白を生んだことです。
白ひげはその絶大な武力で、多くの島や海域を自身のナワバリとして庇護していました。
しかし、彼が亡くなったことで、それらの場所は海賊たちの格好の標的となり、新世界は一気に不安定で混沌とした時代に突入します。
この混乱の中から台頭したのが、黒ひげ海賊団です。
彼らは白ひげのナワバリを奪い、ティーチは新たな「四皇」の一角として世界に君臨しました。
また、ルフィをはじめとする「最悪の世代」と呼ばれる若き海賊たちが、本格的に新世界の覇権争いに乗り出すきっかけにもなりました。
このように、白ひげ海賊団の「その後」は、世界の勢力図を塗り替え、物語を大きく動かす原動力となったのです。
白ひげ海賊団その後:まとめ

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- 白ひげ海賊団はマリンフォード頂上戦争で白ひげを失った
- その後の「落とし前戦争」で黒ひげに敗北し事実上解体した
- 現在、組織を率いる明確な船長は存在しない
- マルコは白ひげの故郷スフィンクスを守りながら医者として活動
- ワノ国編ではルフィたち次世代の海賊に協力した
- イゾウは故郷ワノ国のために戦い命を落とした
- スクアードは自らの過ちを悔い白ひげの墓を守っている
- 海賊団の強さは白ひげ個人の力と強力な隊長陣にあった
- 「家族」という血の繋がりを超えた強固な絆が組織の最大の強みだった
- 一方で白ひげ個人への依存度の高さが弱点にもなった
- 隊長の実力は極めて高く、エースの懸賞金は5億5000万ベリーと判明している
- 隊長の強さランキングではマルコが筆頭と考えられる
- 白ひげの死は新世界の勢力図を大きく塗り替えた
- 黒ひげが新たな四皇として台頭するきっかけとなった
- 残されたメンバーの絆は今もなお受け継がれている