人気漫画『ONE PIECE』(ワンピース)の物語を大きく二分する重要なターニングポイント、それは「2年後に会おう」という麦わらの一味の約束です。
シャボンディ諸島での完全な敗北をきっかけに、仲間たちはなぜ2年後まで会うことをやめたのでしょうか。
ルフィが仲間にだけ送ったとされる暗号の本当の意味、そしてこの感動的な決意がアニメや漫画の何話で描かれているのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
また、2年後のキャラクターたちの成長や変化に対して、一部ではデザインなどがひどいといった手厳しい意見も見られます。
この記事では、麦わらの一味が「2年後に会おう」と誓うに至った経緯から、再会、そしてその後の変化に対する様々な評価まで、あらゆる角度から深く掘り下げて解説していきます。
この記事で分かること
- 麦わらの一味が2年間の修行を決意した背景と理由
- 仲間だけに伝わった暗号「3D2Y」の詳しい意味
- 約束のシーンが描かれているアニメと漫画の具体的な話数
- 2年後の麦わらの一味の変化と、それに対する多角的な評価
ワンピース 2年後に会おうという決断の背景
- 悪夢の舞台となったシャボンディ諸島
- なぜ二年間の修行が必要だったのか
- 仲間だけに託された3D2Yという暗号
- 暗号に隠されたメッセージの本当の意味
- 誓いの言葉としての「2年後に会おう」
- 決意のシーンはアニメや漫画の何話か
悪夢の舞台となったシャボンディ諸島

image:ワンピース完全ガイド:登場人物・用語・悪魔の実辞典
麦わらの一味が「2年後に会おう」という苦渋の決断を下す、その直接的な引き金となったのがシャボンディ諸島での出来事です。
この島で、彼らはそれまでの冒険とは比較にならない、文字通りの「完全な敗北」を経験しました。
魚人島へ向かうための準備を進めていた一味ですが、人魚のケイミーを救うためにルフィが天竜人を殴り飛ばした一件が、事態を最悪の方向へと導きます。
この行動により、海軍本部の最高戦力である大将・黄猿と、人間兵器パシフィスタ部隊が島に派遣されました。
それまで数々の強敵を打ち破ってきた麦わらの一味ですが、この海軍最高戦力の前ではなすすべがありません。
さらに、同じく島に居合わせた王下七武海(当時)のバーソロミュー・くまの参戦が、彼らにとどめを刺すことになります。
くまの「ニキュニキュの実」の能力によって、一味は一人、また一人とルフィの目の前から世界各地へと弾き飛ばされてしまいました。
仲間を守ることも、助けることもできず、ただ消えていく姿を見送ることしかできなかったのです。
この経験は、船長であるルフィをはじめ、一味全員の心に「圧倒的な実力差」という厳しい現実と、深い無力感を刻みつけました。
なぜ二年間の修行が必要だったのか

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シャボンディ諸島での一味離散という敗北に続き、ルフィを精神的にどん底まで追い詰めたのが、マリンフォード頂上戦争での悲劇です。
この二つの出来事が、彼らに二年間の修行という時間を必要とさせました。
エースの死とルフィの精神的崩壊
兄であるポートガス・D・エースを公開処刑から救うため、ルフィは海底監獄インペルダウンを突破し、白ひげ海賊団と共に海軍本部との全面戦争に身を投じます。
多くの犠牲を払いながらも、一時はエースの解放に成功しました。
しかし、その直後、海軍大将・赤犬の攻撃からルフィをかばい、エースはルフィの腕の中で命を落としてしまいます。
目の前でかけがえのない兄を失った衝撃と、またしても守りたかったものを守れなかった自らの無力さから、ルフィは完全に意識を失い、精神崩壊の危機に陥りました。
この出来事は、シャボンディ諸島での敗北と合わせて、ルフィに「今のままでは、大切なものを何一つ守れない」という事実を骨の髄まで痛感させることになります。
冥王レイリーの提案
頂上戦争後、女ヶ島で療養していたルフィですが、エースを失ったショックから立ち直れずにいました。
そんな彼を叱咤し、再び前を向かせたのが海侠のジンベエです。
そして、自分にはまだ大切な仲間たちがいることを思い出したルフィの元へ、海賊王ゴール・D・ロジャーの右腕であった“冥王”シルバーズ・レイリーが現れます。
レイリーは、今の実力で仲間たちが再集結しても、新世界の荒波を越えることはできず、再び同じ悲劇を繰り返すだけだと冷静に分析しました。
その上で、悲劇を避けるために一度立ち止まり、各自が強くなるための期間として「2年間の修行」を提案したのです。
この提案こそが、一味がより高いステージへ進むための、必要不可欠な準備期間の始まりでした。
仲間だけに託された3D2Yという暗号

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2年間の修行というレイリーの提案を受け入れたルフィですが、大きな問題がありました。
それは、世界中に散り散りになった仲間たちに、どうやってこの計画変更を伝えるかという点です。
海軍や他の海賊に知られることなく、仲間だけに正確に意思を伝えなければなりません。
そこでルフィ、レイリー、ジンベエが考案したのが、世界中の注目を逆手に取った、非常に大胆な暗号伝達作戦でした。
作戦の骨子は、ルフィが再び海軍本部マリンフォードに姿を現すというものです。
頂上戦争の中心人物が、その悲劇の舞台に再び現れることは、間違いなく世界的な大ニュースになります。
彼らはこの状況を利用し、新聞というメディアを通じて仲間だけにわかるメッセージを送ることにしました。
ルフィは海軍の軍艦を奪ってマリンフォードを一周し、時代の節目を告げる「オックス・ベル」を16回鳴らすというパフォーマンスを行います。
そして、その際に撮らせた写真に、仲間だけが理解できる暗号を写し込んだのです。その暗号こそ、ルフィの右腕に描かれた「3D2Y」のタトゥーでした。
暗号に隠されたメッセージの本当の意味

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ルフィが仲間に送った暗号「3D2Y」は、非常に巧妙かつ多層的な意味を持っていました。
仲間たちは、そのメッセージを寸分の狂いもなく正確に読み解きます。
タトゥーが示す直接的な意味
腕に描かれた「3D2Y」という文字列の意味は以下の通りです。
- 3D: これは、シャボンディ諸島で別れる前に交わした「3日後(3 Days)にサニー号で集合する」という当初の約束を指します。
- ×印: 「3D」の文字の上につけられた×印は、その約束を「キャンセルする」ことを示しています。
- 2Y: そして、新たなる集合の約束が「2年後(2 Years)」であることを伝えています。
つまり、タトゥーは「3日後の約束は中止し、2年後に再集合する」という、計画の変更を直接的に伝えるものでした。
行動の文脈が伝える真意
しかし、仲間たちがこれをルフィからのメッセージだと確信できたのは、タトゥーの文字列だけが理由ではありません。
その背景にある文脈が、これが仲間だけに向けたサインであることを強く示唆していました。
仲間たちは、ルフィが感傷やファッションで体に何かを刻む性格ではないことを誰よりも理解しています。
そんな彼が、わざわざ目立つタトゥーを入れたこと自体が、非常に強い意図の表れでした。
さらに、マリンフォードという悲劇の舞台で、これ見よがしに腕のタトゥーを写真に撮らせるという不自然な行動。
これら全てが、「これはただのパフォーマンスではない。我々に何かを伝えようとしている」と仲間たちに気づかせるための、計算された行動だったのです。
この深い相互理解と信頼関係があったからこそ、彼らは暗号の真の意味を正確に読み取ることができました。
誓いの言葉としての「2年後に会おう」

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ルフィからのメッセージが込められた新聞は、バーソロミュー・くまによって世界中に飛ばされた仲間たち一人ひとりの元へ届けられました。
そして、誰もが船長の真意を疑うことなく即座に理解し、再会の日に向けて、それぞれの場所で己を磨き上げることを決意します。
- ゾロは、宿敵である鷹の目のミホークにプライドを捨てて頭を下げ、剣術の教えを請いました。
- ナミは、空島ウェザリアで天候を科学する学者たちから、より高度な航海術を学ぶことを決意します。
- ウソップは、ボーイン列島で強靭な肉体と、植物を武器にする「ポップグリーン」の技術を習得するための修行に入りました。
- サンジは、カマバッカ王国で心身を鍛え上げ、一味の生命線を支える「攻めの料理」とニューカマー拳法を学ぶことを誓います。
- チョッパーは、トリノ王国で島の豊富な薬草の知識を吸収し、医療技術の向上とランブルボールの制御を目指します。
- ロビンは、革命軍に保護され、ルフィの父であるドラゴンと合流。世界の真実を知るため、彼らと行動を共にすることを選びました。
- フランキーは、天才科学者Dr.ベガパンクの研究所跡で、自身の体をさらに強力なサイボーグへと改造します。
- ブルックは、「ソウルキング」として音楽の才能を開花させながら、自身の魂を操る能力を覚醒させました。
このように、離れた場所にいても、全員が「2年後に会おう」という無言の誓いを胸に、未来のための過酷な修行へと身を投じたのです。
決意のシーンはアニメや漫画の何話か

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「2年後に会おう」という麦わらの一味の重要な決断と、それに至るまでの物語は、アニメと漫画のそれぞれ特定の話数で確認することができます。
物語の第一部と第二部を分ける転換点となっているため、ファンにとっては必見のエピソードです。
以下に、関連する主要な出来事が描かれている話数をまとめました。もう一度あの感動を味わいたい方は、ぜひ参考にしてください。
特に、一味全員がルフィのメッセージを受け取り、2年後の再会を誓う核心的なエピソードは、アニメでは第516話、漫画では第60巻の第597話です。
ここが、まさに麦わらの一味の第一部の締めくくりであり、新たなる船出への序章となっています。
その後の物語「ワンピース 2年後に会おう」
- 成長した麦わらの一味の2年後の姿
- 新章で変わるワンピースの世界観
- デザイン変更がひどいという評価の真相
- 絆の象徴「ワンピース 2年後に会おう」
成長した麦わらの一味の2年後の姿

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2年間の修行期間を経て、約束の地シャボンディ諸島に再集結した麦わらの一味は、以前とは比べ物にならないほどの成長を遂げていました。
その成長ぶりは、再会直後の出来事で鮮烈に示されます。
圧倒的な実力差
再集結した彼らの前に、まず立ちはだかったのは、自分たちの名を騙る「ニセ麦わらの一味」でした。
しかし、本物の一味の圧倒的な実力の前には、彼らは全く相手になりません。ルフィは覇王色の覇気だけで偽物たちを一掃し、格の違いを見せつけます。
さらに、彼らの成長を明確に示したのが、海軍の人間兵器パシフィスタとの再戦です。
2年前、一味全員が束になっても歯が立たなかったこの強敵を、ルフィは覇気を纏わせた一撃で、ゾロとサンジもそれぞれの一撃でいとも簡単に破壊してしまいました。
このシーンは、2年間の修行がいかに実り多いものであったかを読者に強く印象づけました。
もはや彼らは、ただの勢いだけでのし上がってきたルーキーではなく、新世界の荒波を乗り越えるに足る実力と覚悟を備えた海賊団へと変貌を遂げたのです。
新章で変わるワンピースの世界観

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「2年後に会おう」という約束を境に、『ONE PIECE』の物語は「最後の海 新世界編」へと突入し、その世界観は大きくスケールアップしました。
この2年間という時間は、物語の構造そのものにも大きな変化をもたらしています。
第一に、新世界の強者と渡り合うための必須能力として「覇気」が本格的に導入されました。
これにより、自然(ロギア)系の能力者への対抗策が生まれ、戦闘の質が大きく変化します。
以前のような能力の相性や弱点を突く戦い方に加え、純粋な覇気の強さが勝敗を左右するようになり、よりハイレベルなバトルが繰り広げられるようになりました。
第二に、物語のスケールが格段に広がりました。
新世界では、四皇や世界政府、革命軍といった巨大な勢力が複雑に絡み合い、一つの島での冒険が世界情勢そのものを揺るがす壮大な物語へと発展していきます。
ドレスローザ編やワノ国編のように、一つのエピソードが非常に長大になり、登場人物も膨大になりました。これにより、より重厚で深みのある物語が展開されています。
デザイン変更がひどいという評価の真相

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2年後の変化は、多くのファンに熱狂的に受け入れられた一方で、一部の読者からはキャラクターデザインなどの変更に対して「ひどい」「改悪だ」といった批判的な意見が上がっているのも事実です。
これは、長期連載作品が持つ変化と、それを受け止めるファンの多様な視点から生まれるものです。
特に意見が分かれたキャラクター
- フランキー: 自身の体を大幅に改造し、巨大なロボットのような風貌になりました。この変化はパワーアップを分かりやすく示す一方で、以前の「変態」という人間味あふれる個性が薄れ、無機質に見えるという意見があります。
- チョッパー: よりデフォルメが進み、マスコット的な可愛らしさが強調されました。これにより戦闘員としての一面が薄れ、以前の動物的な力強さが失われたと感じるファンもいるようです。
- 女性キャラクター: ナミやロビンは、よりグラマラスな体型が強調され、服装の露出度も高くなりました。これをファンサービスとして歓迎する声がある一方、性的な側面が強調されすぎているという批判的な見方も存在します。
なぜ「ひどい」という評価が生まれるのか
これらの批判は、単にデザインの良し悪しを問題にしているわけではありません。
多くは、2年前のキャラクターが持っていた個性や雰囲気への強い愛着からくるものです。
「こうあってほしかった」という熱い想いが、時に「ひどい」という強い言葉として現れると考えられます。
また、覇気が中心となった戦闘描写が、以前のトリッキーな能力バトルの面白さを減らしたと感じる声や、物語の長期化・複雑化に戸惑いを覚える声もあります。
これらの意見が存在すること自体が、この作品がいかに多くの人々に深く愛され、真剣に向き合われているかの証左と言えるかもしれません。
絆の象徴「ワンピース 2年後に会おう」

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この記事を通じて解説してきた「ワンピース 2年後に会おう」という約束に関する重要なポイントを、以下にまとめます。
- 約束のきっかけはシャボンディ諸島での完全敗北
- ルフィは仲間の誰一人守れず一味は離散した
- 頂上戦争でのエースの死がルフィに無力さを痛感させた
- 冥王レイリーが現状のままでは危険だと判断し2年間の修行を提案
- 約束の変更を伝える手段として「3D2Y」の暗号が考案された
- ルフィは注目を集めるためマリンフォードを再訪し暗号を伝達
- 仲間たちは新聞に写るルフィの姿から船長の真意を正確に読み取った
- 誰一人疑うことなく全員が2年間の修行に入ることを決意
- ゾロはプライドを捨て宿敵ミホークに剣の教えを請うた
- 決断の核心はアニメ第516話と漫画第597話で描かれている
- 2年後の再集結で一味は圧倒的な成長を遂げた姿を見せた
- 2年前は歯が立たなかったパシフィスタを一撃で破壊
- 新世界編からは覇気が戦闘の主軸となり物語のスケールが拡大
- キャラクターデザインの変更には賛否両論がありファンの間で議論を呼んだ
- この約束は麦わらの一味の絆の強さを証明する象徴的な出来事である